けしぶ

オクラホマシティサンダーについてあれこれお話しする場所です

2022ドラフト三銃士への感想(5/24時点)

指名権2位を引き当てたOKCを応援している皆様、いかがお過ごしでしょうか。

また、2位以上を引き当てることが出来なかった皆様はお気の毒です。

今回は次のドラフト候補生三銃士↓

  • チェットホルムグレン(ゴンザガ大)
  • ジャバリスミスオーバーン大
  • パオロバンケロ(デューク大)

彼らの試合をいくつかフルで観てなんとなくイメージが掴めたので、感じたことを書き残しておこうと思います。

これはあくまで個人的感想です。スタッツはtankathon参照です。

 

チェット

彼はとにかく天井が高くて床も低い選手で、ロマンあふれるドラ1候補です。

彼の一番の武器は最高クラスのリムプロテクション能力です。押し込まれてもその長さでシュートチェックに行くことが出来るため、ゴール下ディフェンスの支配力は目を見張るものがあります。それに加えてスリーまで打てるシュート力も兼ね備えており、そのシュートフォームや滑らかさ、ボールタッチは本物のように感じました。

巷ではガードスキルありとか言われてるようですが、個人的にはチェットのパスとドリブルはまだまだ改善が必要なレベルかなと思います。NBAレベルではすぐには通用しなそうで、少なくともその2点においてはよく比較されてるポクの方が断然優秀です。特にチェットのパスセンスはセンターとしては優秀なレベル程度であり、ポクの足元にも及びません。見た目が似てるからってポクとチェットは比較されることが多いですがその選手像は全く異なり、ガチハンドラーで実質PG~SGのポク、3&D(3&B?)のセンターチェットとみるべきだと思います。要するにチェットが来たからといってポクの代わりになるわけじゃないのでそこは履違えちゃいけません。

ポクと比べて急にチェットディス(&ポクアゲ)しましたが、それでもチェットはほぼ7fのサイズに圧倒的なディフェンス力とシューティングの才能、そこそこのバスケスキルも持ち合わせたプロスペクトであることに疑いの余地はなく、やはり将来に期待出来る才能の持ち主だといえそうです。

一方で彼の怖いところはなんといっても床の低さで、体の細さや強さが改善されないとNBAでは確実に通用しません。肩幅が狭くてどうもヤニス的改善が期待できなさそうなところが不安を煽ります。あと技術的に気になったのはPnRディフェンスでドロップばかりしている点です。ゴンザガ大がそういう戦略を取っているからなのかもしれませんが、今のNBA、特にプレーオフではドロップDFしか出来ないセンターは起用しにくい場面もあります。ある程度スイッチ出来るようになるかリム周り以外でももっと影響力を与えられるようにポジショニングや先読みのセンスを改善していけるかがポイントです。

このようにチェットには不安要素もありますが、普通にジャンパーが上手いうえ既に計算できるリムプロテクション力を兼ね備える才能は確実に戦力になります。ぼくもかねてよりずーっと「リムプロ出来るセンターが欲しい」と言ってきたのでチェットのそれは非常に魅力的です。彼を獲得出来た暁にはきっと2位指名の名に恥じないパフォーマンスを残してくれるのではないでしょうか。

 

 

ジャバリ

彼は良い意味で三銃士の中で最も無難な選手という印象でした。三銃士の中だと一番若いのにね。

ジャバリはジャンプシュートのタッチが素晴らしく、スリーアテンプト5.5本で驚異の42%という高確率です。これもずーーーっと言ってますが今のOKCにはスリーを決める力が必要とされているため、彼のシュート力は垂涎ものでしょう。

彼をtop3指名候補にしている要因はサイズとシュート力だけではなく、そのフットワークの良さからくるペリメーターディフェンス力です。チェットとは異なり積極的にスイッチ出来ますしガードの動きにもついていくことが出来ています。身長だけではなく骨格も優れており、長い手足もフルに活用したペリメーターディフェンス力は確実に三銃士の中では一番です。オフボールディフェンスでもヘルプポジションの位置取りやヘルプの判断がいい感じに出来ていたと思うので、それなりにチームディフェンスも出来るはずです。ブロックもちょいちょいしてたのがgoodでした。

こんな感じでジャバリスミスは「サイズ、骨格に非常に優れた3&D」という評価で間違いないと思います。全部揃っているからこそのトップ指名候補であり、どこにでもフィットする名脇役になれると思います。

次に彼の短所ですが、最上位指名権で脇役になると思われる人を取るのはもったいないんじゃないか?というのがあります。最上位指名ではもっとアップサイドのある選手に夢を見てドラフトをするべきではないかという論調で、実際これはぼくも思っています。6'9とか6'10のサイズはないにしても他の特徴がジャバリに見劣りしない選手ならもっと下位で指名出来るかもしれませんし、リンディ君とかがそれになる可能性もあります。要するに今の彼のスキルセットは意外と平凡ということです。

ジャバリのスキルセットにおいてぼくが特に気に入らないのはドライブをしないところです。シュートが上手いのは世界中が分かってるのでジャバリのマッチアップは必ずすっぽんディフェンスを仕掛けますが、ジャバリはドライブですっぽんディフェンスを躱すことをせずタフなジャンパーを選択してしまうのが多いんです。ジャンパーが入ればいいんですけどそれが入らなくてNCAAトーナメントでは負けてしまったように思います。ドリブルが苦手だからなのかジャンパーに絶対の自信を持っているからなのかオーバーン大の戦術でドライブをしないことになってるのか真相は分かりませんが、ジャンパーに頼りすぎという弱点を今後改善出来るのかが彼のバスケキャリアに大きな影響を与えそうです。

ところでバスケ素人のぼくが言うのも良くないと思うんですけど、オーバーン大の戦術は個人的によく分かりませんでした。オフェンスを途中で止めちゃうというか、なんかもったいない攻め方をしているように見えて、それもあってNCAAトーナメント早期敗退という結果は選手が悪いのかそれともチームストラテジーが悪いのかがイマイチ判断出来ませんでした。でも多分ジャバリのドライブレスはジャバリの問題だと思う。

まとめると今のNBAにはぴったりな才能を持つものの、これからのNBAインパクトを与えるほどの才能はないかもしれないという感じです。と言いつつも普通にこれだけ色んな才能を持っている選手なわけですから三銃士の一角には十分ふさわしいと思います。

 

 

バンケロ

三銃士の中だと一番スキルとフィジカルの両面が融合している選手だと思います。体重が112kgほどあるくせして素早いフットワークと卓越したスキル、ガッツを持った選手です。

彼の武器のひとつ目はそのボディです。既に完成しているといえるほど屈強な体はカレッジバスケにおいてずば抜けており、1on1ではいとも簡単に点を取っていました。デカい体をどう使えば点を取れるのかをちゃんと理解しているようで、1歩目の俊敏さやとんでもなくキレの良いスピンはNBAでも確実に通用するでしょう。フィジカルの強さに加えてディフェンスとぶつかることを嫌がらないメンタルの強さもあり、フリースローもしっかり稼ぎます。これらのスキルとメンタルを考慮するとバンケロはNBAでも即戦力で、更なる成長も期待出来る、スターアップサイドも十分に見込める逸材だと感じました。

ふたつ目の武器は豊富なスキルセットです。自分でドリブルをつくことも出来ますし一応スリーも打てますが、何よりバンケロが他2人を圧倒的にリードしていると感じたのはパススキルです。中に仕掛けた後の判断力が凄すぎて、キックアウトだったりカットしてきた選手へのパスだったりがすぐにでもNBAで観てみたいと感じさせるようなものでした。ドライブ→キックアウト作戦を取っているOKCにもすぐにビタッとハマるんじゃないかなーとも思いましたね。他にもレイアップのフィニッシュ力は異次元で、幅のある体を上手く使いつつリムにねじ込む力は完全にNBAクラスです。このスキルをしっかり使ってさらにちゃんと練習すれば、スクリーナーとしてロールマンにもなれるんじゃないかな、とも思います。

こんな感じでバンケロは自分でオフェンスを展開して点を取ることも出来ますし、加えて今後の成長にも期待出来る将来のスーパースター候補だと思いました。

懸念点としては、他2人に圧倒的に劣るシューティングセンスのなさです。他2人はフリーなら勿論決められますし厳しくマークされてる中でも独力で打開しうるシュートタッチを持っていると思うんですけど、バンケロは流石にそのレベルではないと思いました。と言いつつもミドルレンジでのジャンパーなどのテクニックも見受けられましたし、天賦のタッチはなくとも練習量でカバー出来れば十分に期待出来る気もします。ですがシューティング改善という大技をOKCで果たせるかは正直疑問なので、もともとそこまでシュートが上手くないというのはやはり不安要素だと思っています。

それに加えてディフェンスも欠点としてよく挙げられているようですが、ぼくがみた感じマンディフェンスはそこまで気になりませんでした。体の幅も生かしてガードの動きを邪魔しつつなんとかついて行ってるように見えましたし、世間が言うほど悪くはないように思います。でもたまにオフボールのときのポジショニングが雑に見えたので、そういうところも含めて評価された結果がややDF難なのかもしれません。

あと気になるのは大学にいる間に飲酒運転の幇助で警察の厄介になっている点です。でもまあバンケロの人間性を全く否定するつもりはありませんし、デジョンテマレーみたいにしっかりとした人間であれば問題ないです。そこんところの判断はOKCうるさいぞ。それとマジで面倒くさいのはシアトル生まれだということです。これはどうしようもないわ。

という感じで、ぼくの中ではバンケロは「今の時点でもNBAで通用する才能をしっかり持ちつつ更なる成長も期待しちゃう The ドラ1」みたいな感じです。ロマンのチェットと安定のジャバリの中間という認識になりました。もしOKCがシェイとギディに加えて更なるハンドラーを求めているというのであればバンケロ取りでいいと思います。世間ではドラ3に置かれることが多いバンケロですが、ぼくとしては他の2人に明確に勝る点もあることも含めて考えるとこの予想はちょっと不可解です。十分良い選手でしょ。

 

 

以上が2022 NBA draftの三銃士でした。実際に試合を2試合ずつくらい観たのでとりあえず今の時点での感想をシェアしてみました。

なんか一部でOKCアイビー狙ってる説が出てますがそれならここまで極端なタンクしなくてもよかったような気がするので、多分三銃士の誰かを取るはずです。仮にそうじゃなければそれはOKCの文化と三銃士の人間性がよっぽど合わなかったときだと思います。

個人的には三銃士の誰が来ても嬉しいですし、誰が来てもその人の欠点を考えてしまって少し憂鬱になりそうです。それぞれ強みと弱みがばらばらなのが本当に面白い3人ですね。

ということでプレスティの慧眼を100%信じます。誰がこようときっとその人が一番OKCに必要な選手でひいては一番の当たりとなるはずなので、誰でもかかってこいや。

最後になりますが、今公表されてるドラフト候補生達の身長は多分靴込なので実際はそこから1インチ小さいと思います。チェットはデビッドロビンソンと並んでも見劣りしない身長でしたが、ジャバリとバンケロは6'9だと思っています。期待しすぎず!

 

それでは!