けしぶ

オクラホマシティサンダーについてあれこれお話しする場所です

NOPシリーズを振り返る

ちょっと今更感もありつつですが、NOPとのプレーオフ1回戦を振り返りたいと思います。

 

 

いちOKCファンとしてシリーズ全体への印象は「なんと見事な勝利だった」でした。界隈での前評判ではOKC有利が多数だったように記憶していますが個人的には全然そんなことはなく、例えザイオンがいなくともNOPはサイズと層の厚さを両立した良チームであることは確かなので(じゃなきゃ今年の西でプレーオフなんて出れないですもんね)、確実に苦戦するだろうと思っていました。だからこそスイープという結果になったことも見事でしたし、中2戦はまだしも初戦と最終戦のようなシーソーゲームな展開でNOP相手に勝ち切れたということもまたぼくの期待を遥かに超えた結果となりました。

もう少し内容に入っていきますと、まず触れたいのはOKCはこれまでやっていたことをそのまま正しく遂行し続けられたことです。結果的にはそれで勝利を掴めたわけなのですがこれは大層喜ばしいことで、まずは今のOKCのコンセプトである全員ハンドラー全員シューターのバスケットボールがプレーオフの舞台でも通じることを証明出来ました。このチームを作るのに丸3年かけたわけですがそのプロセスもまた正しかったようで一安心です。それに加えて、自分達がやってきたことから逸脱した付け焼刃な戦術も殆ど取らず、地に足をつけた堅実なやり方で戦い抜けたこともまたOKCの自信を深める良い経験になったと思います。プレーオフだからとっておきの秘策を出すっていうのも悪くないやり方ですが、よっぽど裏で練習しておかないとぶっつけ本番では上手くいかないですしそんなトリッキーなやり方を試せるほど今のOKCに余裕はないので、自分達のやり方を貫けたっていうのは結構良かったポイントだったと思います。

更には選手達も各々自分の役割を十二分に果たしてくれて、その集中力や実力の発揮具合は彼らの若さを考えると驚異的なレベルでした。デイグノート監督がシリーズ開始前に言っていた「年齢はただの数字」っていうのが本当に体現されていて、経験がないとか対応力がないとかっていう問題がそもそも発生しないようにチーム全体でやる事ややりたい事の共有がしっかりと出来ていてかつ個人でもそれを実行するための準備が出来ていたわけです。そうなると若さっていうのがむしろ良い方向で発揮出来て、ハッスルやチームの一体感みたいな数字に出にくいけどプレーオフみたいな目の前の1勝が欲しいっていう場面で背中を押してくれる部分でもNOPを上回れたんじゃないかなと思います。

もう少し選手達のパフォーマンスについて語りたいんですが、目に見えてパフォーマンスが下がった選手がいないっていうのははっきり言って予想外でした。シェイが気持ち下がったかもっていうくらいですがそれはNOP側が優秀過ぎるためだとも言えるのでノーカンとして、Dubやチェットを筆頭にスタメン組はレギュラーシーズンと全く変わらないプレー水準を保てました。むしろ微増しているかもっていうくらいに彼らが各々期待されていた事柄を遂行してくれたが故にOKCがシェイ単騎のチームでなくなり、NOPもお手上げ状態になったんだと思います。4戦目の4QにSLAM5で勝ち切ったのなんてもう出来すぎでしょうよ。

それに加えてベンチ組もこれまた全く変わらず各自渋い活躍をしてくれました。流石にバレてきたアーロン、シリーズ全体で見ると調子が悪かったけど存在感は変わらずなジョー様、本格的に3&Dとして名を上げ始めたケイソンの3人がメインローテーションで、その脇にはケンリッチやヘイワードさん、Willらが控えていますが、これだけ信頼出来る選手が多いとローテーションの柔軟性やスタメン組のミニッツ管理もしやすいです。そんでもって何度も繰り返すようで煩わしいですがみんな期待通りor以上のプレーをしてくれるもんで本当に頼りになりますね。

ということで、これまで築き上げてきたチームの方針が間違ってなさそうどころかむしろこの方向性がなかなか面白そうなこと、そしてそれに合う選手達を時間をかけて集めたらみんな優秀過ぎだったこと、その辺りがよく表れたシリーズになったと思います。

これ好き

 

OKC側へのコメントの締めに、SLAM5へ一言ずついきます。背番号が大きい順です。

Dubはこれからも同じように好き勝手やってくれればよしです。攻守両面での負担も大きいと思うので怪我のないようにある程度のセーブも忘れずに。

チェットはまさかここまでプレーオフの舞台でもディフェンス面での支配力を維持出来るとは思っていませんでした。対NOPの作戦としてヨナスにはヘルプにいかないっていうのがあったみたいでひたすら1人で体重差30kgに四苦八苦していましたが、それもまた貴重な経験です。ちょっとずつ強くなろうな。

ドートは今シリーズのMVPかもしれません。まさかイングラムを完封するとは。これによってNOPの戦術を根底から崩し、そのまま立て直す時間も与えずに済みました。一方でスリーも絶好調でオフェンス面でも重要な選手になってくれる辺り、やっぱりあんたはOKCの魂だよ。

ギディはレギュラーシーズン終盤に辿り着いたメンタルを良い形で発揮出来ています。それどころか積極的にいきすぎている場面もあったように思いますが、上手くいっているので万事OKです。スリーが入っている場面が目立ちますが、もう少しハンドラーとしても点が取れたりズレを作れたりで貢献出来るとさらに良くなると思うので頑張って欲しいところです。

シェイは先述の通り多少スタッツ的にもアイテスト的にもパフォーマンスが下がったような気もしますが、そもそもお相手があれこれ手を尽くしてシェイ潰しを敢行してきたわけなので、それについては気にしていません。ハーブ以上に面倒くさい相手もなかなかいないと思うのでこれからもシェイでい続けてくれれば問題ないです。OKCのエースでありリーグ最高クラスの選手であるシェイギルジャスアレキサンダーであり続けてくれればね。

 

OKCへのコメントはここまでです。ここからはほんの少々NOPについて気になったことを語ります。

まずはザイオンの怪我ですね。これはぼくもとても悲しく、結果にこだわる必要のない今だからこそザイオンプレーオフで戦いたかったというのが本音でした。LALとのプレーインでも大暴れしてましたし、あの化け物からどうやって4勝をもぎ取るかっていうのをあれこれ試行錯誤するデイグノート監督が見たかったです。しかしながら、こんなこと言いたくないですがやはり彼の体は彼の動きについてこれないんでしょうか…。

あとちょっと思ったこととして、思ったよりマーフィー3世って不器用なんだなっていうのがありました。スリーをぽこぽこ決めてきましたがなんかそれだけだったなぁというか、セルフクリエイト力がないっていうのがOKCサイドからすると大変にありがたくて、彼のサイズを考えるとどうしてもミスマッチになってしまうことが多いOKCでも特に苦労せずに守れたのはちょっと予想外でした。これもぼくの本音ですが、OKCがドラフトでマーフィー3世をスルーしたのも今の彼を見るに納得の選択だったなっていう感想です。

また、対戦していて1番嫌だったのはイングラムでした。ドートがいなかったらと思うともう震えが止まりません。彼の長さ×クリエイト力は強力で、優勝チームの1番手になれるかと聞かれると微妙かもしれませんが2番手なら確実になれるような才能だと思います。次いで厄介だったのはCJマカラムですかね。CJについては結局それらしい対策が実現出来なかったような気がしますが、彼のサイズ不足をしっかりと攻めることが出来たのでここで返し切れない借金を背負わなくてよかったのは大きかったです。

あとは…まあNOPファンの皆さん…流石に文句言い過ぎじゃないですかね…。特に笛に…。1試合ならまだしも4試合全部笛が偏るなんてありえませんしそこにアジャスト出来かどうかで評価した方がと思います。それに極めつけは負けた後もNOPの選手やコーチングの批判が多くてOKC上げのコメントが少ないのなんの。結構悲しかったです。

 

ということで、ようやったOKCワカテーズ、16年以来の2回戦進出です。おめでとう!!

 

空港でのお出迎えもあるぜ!スイープだからシリーズ勝利おめでとうも言えるぜ!