けしぶ

オクラホマシティサンダーについてあれこれお話しする場所です

頼むよチップさん

 

オフシーズンにつき話題がないので、今まで何度も語ってきた「OKCシュート下手くそ話」をシンプルなスタッツを元にまたしようと思います

 

昨季のOKCが弱かった原因はサイズ不足の面もありましたが、それ以上にやはりシュート力不足による部分が大きかったと思います。シュートクリエーション力が低いというよりは単純に各選手のシュート力が低く、決めるべきシュートを決められないということが多すぎたわけです。

そんなOKCですが現在のオフェンスの方針は「ドライブ→キックアウト」を繰り返す作戦です。エースのシェイがあれだけのドライブ力とフィニッシュ力を持っていて、それに加えてセカンドボールハンドラーのギディがサイズ×パススキルというプレーヤーなので、チームの中心選手達と相性の良い作戦になっています。この作戦をより高度なものにするためにロールプレイヤー達もハンドルも出来てパスも出来て一応スリーも打てる選手ばかりです。

 

ここからはスタッツを見ていきます。参考はNBA.comです。

21-22シーズンのOKCは1試合当たりドライブ数がリーグ最多で61.7回でした。ちなみに2位はCHAの54.3で、3位はSASの52.7です。明らかにOKCのドライブが多いことが分かります。

次にリーグ全体で選手別にドライブ数を見てみます。20試合以上に出場した選手でフィルターをかけると、1試合当たりのドライブ数リーグ最多はシェイで23.9回でした。2位はルカドンの22.2、3位はジャモラントの20.9と続きます。シェイ以外にもギディが30位、ドートが44位と、ドライブ数top50にOKCの選手が3人もいます。これは期待値から考えると多い方なので、OKCのドライブが多いいのはシェイが1人で稼いでいるわけではなくてチーム全体としてドライブを狙っているから、と言えそうです。

 

ここまでの議論でOKCはチーム全体でドライブを多く繰り出していそうだということが分かりましたが、果たしてそれが得点に繋がっているのかといいますと実際はそうでもありません。ドライブ数が多いので得点数はリーグ2位になりますが、得点になったドライブの割合(PTS%)は48.5%とリーグ29位になっています。つまりドライブをしてもそれが直接得点に繋がることは少ないということです。

じゃあOKCのドライブは意味のないものなのかというとそれもまた違います。パスに終わったドライブの割合(PASS%)が42.7%とリーグで4位になっているからです。このことから分かるのは、OKCのドライブは得点を狙うために行われる以外にも、ボールや選手を動かすための手段として使われている、ということです。

 

ここまでをまとめると、

  • OKCはリーグ1位のドライブ数で、それもシェイが1人で稼いでいるわけではなく、チーム全体としてドライブを狙うという戦術を取っているためである
  • これらのドライブが得点に繋がることはそこまで多くないが、パスはたくさんしているため決して無駄なドライブにはなっていなさそうである

という感じです。

 

では次に、「ドライブからのパス」によって何が生み出されているのかを考えていきましょう。ここからがぼくがこの記事を書いている理由になります。

NBA.comは流石公式データベースという感じで、ドライブからのパスがアシストになった数やその割合なんかも載っています。で、OKCはこの数字、特にアシストになった割合(AST%)がすこぶる低いんです。なんとリーグ26位です。普通はPASS%が高ければAST%も上がりますし、低ければ下がります。それなのにOKCはその傾向とは真逆になってしまっているわけです。

「ドライブして相手DFを動かして味方も動く&その後のパスも回していく」というOKCの狙い通りの動きがが出来ているはずなのにアシストがつかないということは、要するに「ドライブの後のシュートが決まらない」という結果を如実に表しているわけです。過程は良いのに結果が伴っていない典型例みたいな感じです。

OKCはワイドオープンスリーのアテンプトがリーグ1位でその決定率がリーグ29位なんですが、これも今までの議論をサポートする根拠になりますね。相手がOKCのシュート下手を考慮してスリーのケアをしていないだけなのかもしれませんが、それでも試合を観るとOKCが自力でワイドオープンを作った場面もたくさんありましたし、そこまでの過程は十分頑張っているんです。

昨シーズンのOKCの試合を観ていた人なら「OKCはシュートが下手」なんてわざわざ言われずとも身に染みて分かっていると思います。ですがしっかりスタッツにも表れていたのでこの度は記事を書いてみた次第です。

 

で、ここまで書いてきて最後に言いたいことはただひとつ、それを記事のタイトルにしました。最後の詰めさえ上手くいけば化けるはずなのよこのチームは。

 

 

ここまで語ってきたドライブのPASS%とAST%についてどれくらいOKCが歪なのかというのは、次の自由研究2022記事でしっかり語ります。ここまでこの記事を読んでくださった方は絶対に次のも読んでね。

 

それでは。