けしぶ

オクラホマシティサンダーについてあれこれお話しする場所です

近年のNBAトレンドの振り返り...

ちょっと久しぶりになってしまいました。

 

 

さて、ぼくはリムプロテクションがしっかりできるディフェンスが好きです。これは要するにディフェンスが上手なビッグマンがいるということです。そんな奴がリング下にいると、ペリメーターで守っている選手はアグレッシブにディフェンスできるし、相手にとってもイージーレイアップが狙いにくくなり、選択肢が制限されます。 

この考えは少し前まで当たり前でしたよね。しかし、近年のスリーキングスMIAからGSW王朝への流れによってスモールラインナップが確立されました。これによってディフェンスの考え方が見直されることになり、結果ビッグマンが淘汰され始めました。

 

語弊のある言い方をしました。正しくは、「クラシカルなオールドビッグマン」が淘汰されることになりました。これは、リムプロテクションとダンクだけができる選手です。もちろん彼らはペリメーターを守ることなんてできませんし、トランジションにもついていけません。ダンクが取り柄なのでペイントエリア内からでないと点が取れません。そんな選手はペース&スペースバスケについていけるわけがなかったのです。

 

では彼らはどのように生き残ろうとしたのか。足が遅いのはもう変えられない。動きすぎると腰や膝に負担がかかってしまう。そこで、彼らはスリーを磨き始めました。ペースは無理でもスペースを作り出すことに専念したのです。この時期には「今のNBAは平等だ。なぜなら、スリーさえ打てればいいから、身長は関係ない!」なんて言われていました。ドラモンドとかもスリーを打とうとしてました。アダムスは打ちませんでした。

 

頑張って現代バスケに適応しようとしていたにも関わらず、この頃のビッグマンの価値は暴落していました。ビッグマンをチームの中心選手にしているチームはなく、彼らはあくまでガードやフォワードのサポート選手としてしか見られなくなりました。その結果、リーグに残っているのは安価に雇えるストレッチビッグばかりになりました。ブルックロペスがMILと契約したとき、1年3.4milですから。安すぎる...。このときはビッグマンの価値のどん底期でしょう。

 

GSW王朝のもとでは、このトレンドは生き続けたように感じます。GSWのスピードについていくためには、どうしてもクラシカルビッグマンは起用できないためです。

 

しかし、KDが移籍しGSW王朝が崩壊すると同時に、このトレンドも変わり始めます。ペース&スペースが大事なのは変わりませんが、GSW対策について熱心に研究を行ってきた残り29チームによって、このトレンドはさらなる進化をしていました。

 

その変化とは、高さを犠牲にするのも嫌だというわがままラインナップの誕生です。例えば、ADは高さもありつつ他のスキルも完璧で、去年のLALの優勝に多大な貢献をしました。ヤニスも似たような感じで、身長が211cmありながらステップワークや足の速さがずば抜けており、オフェンスはもちろんディフェンスのレベルが段違いです。もう少しレベルを下げると、次世代センターの代名詞であるバム、ディフェンスはもちろんオフェンスでもユニークなシモンズ、サイズもあり動けることで汎用性が抜群なシアカムとグラント、オフェンス全振りのMPJ、でかすぎんだろユニコーンなどです。もっと名前挙げたいけど割愛。

 

彼らの台頭により、スモールラインナップでもサイズは従来通りという矛盾が生じました。特に去年のプレーオフLALはその完成形のような印象を受けました。マイクロHOUを倒し、技巧派CのヨキッチDENを倒しました。どんな相手にも対応し、それでいて自分たちのスタイルを崩さないLALは、形容しがたいインパクトがありました。

 

ここ5年くらいのNBAは、こんな感じで変移してきたと思います。現在はスリーを打てるだけのただのサポーティングストレッチビッグマンすら淘汰されています。現在活躍しているビッグマンは、他にも優れたスキルを持っています。例えば、リムプロテクションがハイレベルでできる選手、ガードをディフェンスできる選手、視野が広くパスが上手い選手、トランジションの先頭を駆け抜けることができる選手などです。多様なスキルをもつビッグマンの価値は激増していて、彼らを中心にロスター作りをするチームも多いです。

 

我らがOKCには次世代ビックマンはいるかな...

 

 

でかくて上手いやつが現れたんだから、もうバスケットボールは完成したんじゃないかと思ってしまいますが、そんなことがないのがNBAです。これからの新トレンドがどのようなものなのか、楽しみにしながら観戦していきます。

 

それでは、また次の機会にお会いしましょう。

次はOKCについて何かしら語りたいぞ!