けしぶ

オクラホマシティサンダーについてあれこれお話しする場所です

期待のチェットエフェクト

 

今回は昨シーズンのチームスタッツから見るOKCの弱点とそれを克服するうえでチェットの活躍が大事だよっていうことを主張したい記事です。

何故こんないつでも書ける内容の記事を退屈だった7月8月9月に書かずにもうそろシーズンが始まる10月に書くのかは自分でも分かりません。一応5月中に「生意気なOKC」という記事で昨シーズンの生意気なスタッツについてあれこれ語りましたが、ほんとに何故今になってスタッツ記事書くんだって話です。

rp-okc.hatenablog.com

よかったら読んでみてください。

 

本題入ります。

昨シーズンのOKCの弱点といえばサイズ不足というのがひとつあったと思います。シーズン開幕前にチェットが離脱しポクも年内でアウトになってしまった結果、アンダーサイズなWillをスタメンセンターとして起用しながらなんとかやりくりするのを強いられ、クロージングラインアップではケンリッチがセンターになったりギディになったりDubになったりドートになったりでLALの4ガードも可愛く見えるほどの陣容で戦わざるを得ませんでした。

勿論ビッグマンには高さだけではなくてパワーも必要だと思うので、チェットやポクがいればサイズ不足問題はなかったかというとそうでもないんでしょうが、とにかく身長というバスケにおいて当たり前に必要とされるものが不足していたのが昨シーズンのOKCでした。

 

さて、ここからサイズ不足による問題がなんだったのかについて考えてみます。

まず思いついたのは、高さがないことによってリムプロテクト力が不足し、リム回り(制限エリア)での失点が多かったのではないか?ということでした。しかしスタッツを見てみるとOKCのそれは案外少なく、制限エリア内から決められたシュート数の多さはリーグ16位でした。さらに付け加えると相手の制限エリア内のシュート確率の低さがリーグ8位で、むしろよく守っていたと言ってもいいかもしれないくらいに制限エリア内からのシュートは抑えていました。OKCよりも低い確率に抑えているチームはMEM、CLE、CHA、NYK、IND、BKN、MILと優秀なリムプロテクターがいるチームばかりで、ゴベア擁するMINやAD擁するLALよりも確率だけを見れば優れたリムプロテクトをしていたことになります。

何故こんなことが出来たのかを考察してみると、Willを筆頭にチーム全体でドローチャージが上手すぎたというのは影響していたと思います。まさかの地上で行うリムプロテクトです。他には、相手プレーヤーがペネトレイトしてきたり相手ビッグにボールが渡ったりした時に5人全員でそれを上手く囲ってイージーシュートを打たせなかったのではないか、とも思いました。ビッグマンがいないからこそ全員でリムを守っている感じです。これはあくまでぼくの印象ですが、昨シーズンのOKCはDF3秒テックを吹かれることが多かった気がします。これもインサイドへのヘルプを意識しているが故の出来事なんじゃないのと今となっては思います。

他のデータも見てみます。ディフェンス中の総移動距離(頑張って足を動かした量、と言っていいはず)を見ると、OKCはリーグ4位でした。ディフェンス中の移動スピード(フットワークの速さ、と言っていいはず)はリーグ9位で、これらの数字から単純に結論付ければみんなで素早くたくさん動いて守っている、ということだと思います。

つまりはポジショニングに気を配って常に動きつつボールが中に入ってきたらヘルプに行ってローテをしまくるディフェンスになっていたのではないか?と思うんです。この努力のおかげで意外とリム回りの失点は抑えられていて、当初ぼくが安直に思いついたサイズ不足による問題は実はしっかりケアされていたわけです。

 

しかしその裏では確かなしわ寄せが出てました。ただでさえオフェンス有利なバスケにおいてヘルプやローテーション等の一瞬ではあるもののこちらからズレを明け渡してしまうディフェンススキームを多用することで、逆サイドの相手プレーヤーが空いてしまう、つまり被コーナースリーアテンプト数が多くなってしまっていたのです。その多さはリーグワースト2位です。何故か確率は36.3%の低さでリーグ5位の高水準となっていますが、個人の考えとしては相手が外してくれてるだけ説を推したいです。

つまりはサイズ不足を誤魔化すために頑張ってインサイドを守っていた結果アウトサイドが空いてしまっていたのでした。もう少し詳しくまとめると、

  1. サイズ不足
  2. 1.を隠すためにインサイドを固める
  3. そのためにヘルプ、ローテーションを常に行いインサイドでのプレッシャーを5人態勢で強める
  4. 外が空いてしまいコーナースリーアテンプトを多く献上してしまっている

ということです。オフェンス効率が高いと言われているコーナースリーのアテンプトを多く献上してしまっているのがとても気に食わないポイントですね。まあインサイドもアウトサイドも完璧に守るのは無理なので怒り心頭なスタッツというわけではないんですが、リーグワースト2位の被アテンプト数はちょっとね…

これを解決するにはどうするのかということなんですが、単純ですよね。1.のサイズ不足を解消すればいいんですよ。さらに言えば全盛期ドワイトハワードみたいな究極のディフェンシブビッグである必要もなくて、5人体制でインサイドを固める必要がなくなる程度のリムプロテクト力を持つビッグがいるだけでいいんです。さらにさらに言えば被得点面から見るに相手ビッグにリム回りで無双されている訳でもなさそうなので、ヨキッチやエンビードといったMVPセンターとタイマン出来るような選手である必要もなく、ちょっとだけ頼りに出来る選手がいるだけで大きく改善するはずです。

 

ね?この役割にチェットぴったりでしょ?いいでしょ?完璧なドラフトだったでしょ?

 

多少のズレにはこれまでのようなヘルプ(オーバーではないものの結構がっつりしたやつ)はせずにリムプロテクターのチェットに任せちゃえ!となれば外を空けずに済み結果被コーナースリー数を減らせるはずです。

また、そのおかげでディフェンスでの運動量を減らせることが期待され、よりスマートなディフェンススキームの確立、疲労削減にも繋がってくれたりしそうです。

シーズン後半はシェイを筆頭に結構みんな疲れてるように見えたので、程よくサボれるようにいい感じのディフェンス構築を頑張ってほしいです。

 

 

スタッツを見ていてもう1点サイズ不足による問題を発見しました。これは大変シンプルなもので、被オフェンスリバウンドがリーグワースト2位被2ndチャンスポイント数がワースト1位というものです。サイズ不足を広辞苑で調べたら「一. OKCのこと」「二. リバウンドをよく取られるチームのこと」って書いてありました。

リバウンドは高さ以外にやる気も関係するはず、と思ってディフェンシブボックスアウトのスタッツを見てみるとこれはリーグ8位で結構頑張ってました。12月中にもっと頑張れよって記事書いたんですがしっかり頑張ってくれてたみたいです。

とここでディフェンシブボックスアウトをしているチームは被オフェンスリバウンド数が少なくなるのか気になったので、ふたつのスタッツの間の関係をグラフ化してみました。青の棒がボックスアウトについて、オレンジの棒が被オフェンスリバウンドについて表しています

グラフの書き方の説明をします。ふたつのスタッツの平均値を計算して、各チームのスタッツと平均値の差を取り、それを描画しています。ただし被オフェンスリバウンドの算出値はマイナスをかけてます。マイナスをかけた理由は、ボックスアウトのスタッツは大きい数字の方が優れているのに対して被オフェンスリバウンドのスタッツは小さい数字の方が優れており、それを同じグラフに描画すると上下のどちらに伸びている方が優れているのかが分かりにくくなると思ったからです。今回の場合は0の軸よりも上に伸びてる方が平均値よりも優れたスタッツを残せているように見せたかったため、被オフェンスリバウンドの算出値にマイナスをかけました。

どちらの棒も上に伸びてるor下に伸びてるチームはボックスアウト数と被オフェンスリバウンドの間にイメージ通りの関係があることがうかがえます。一方でふたつの棒がそれぞれ逆向きに伸びてる10チームはディフェンシブボックスアウトが少ないのに被オフェンスリバウンドは防げているorディフェンシブボックスアウトをしっかりしているのに被オフェンスリバウンド数が多いチームとなります。

そしてOKCは残念なことにディフェンシブボックスアウトをしているのに被オフェンスリバウンド数が多いチームのひとつでした。これがサイズ不足と言わず何と言うのかね?

 

サイズ不足に加えてスイッチやヘルプで流動的な自分のマークマンを上手く捕まえられずボックスアウト出来ない、などの理由もあるかもしれませんが、頑張って動いて頑張ってサイズ不足を誤魔化して頑張ってボックスアウトしているのにリーグで2番目にオフェンスリバウンドを取られてリーグで1番2ndチャンスポイントを取られてしまっていたのが現状です。

しかしこれだけ頑張っているということは単純に高さを上乗せ出来るチェットが入るだけで改善されるのでは?と期待出来るわけです。試合観てて普通にサイズ不足でリバウンド取れね~!と思うこともたくさんありましたしね。やっぱりチェット最高!

 

 

という感じです。今回語ったチェットにやって欲しいこと、チェットがいることによって期待出来ることをまとめると、ちょっとでいいからリムの番人になってもらって他の4人のインサイドヘルプ数を減らすこと、そして高さ不足による被オフェンスリバウンド数を減らすためにディフェンスリバウンドを頑張ってもらうことの2点です。

チェットドラフト時からずっと言ってますがチェットにはこれらが出来るはずなのでしっかり頼むよってお願いして本記事は終了です。

 

 

で最後に全然関係ないんですが、最近NBAのスタッツをAPIで引っ張ってこれるらしいのを知って、それならデータ分析して色々遊べるじゃん!ってなりました。

そこでなんですがNBA.comにあるスタッツから分析出来る面白いテーマがあったら是非教えて欲しいです。ゆる~~~~~~~~~く募集します。

実際にやるかは分かりませんが…

 

それでは!